繰り上げ返済100万円の効果はどのくらい?具体額を解説

住宅ローンを100万円繰り上げ返済すると、利息をどれだけ節約できるのか。前提条件(金利・残期間)によりますが、期間短縮型なら数十万円単位の利息軽減効果が期待できます。

結論 ─ 100万円繰り上げ返済での具体的な効果

ここでは代表的な条件として、借入残高3,000万円・残返済期間25年・固定金利2.65%(フラット35、2026年4月時点・融資率9割以下・21〜35年の最頻値)を前提に試算します。

元利均等返済(毎月一定額を返す方式)でこの条件を返済し続けた場合、完済までに支払う利息の総額は約1,087万円(概算)です。ここで期間短縮型の繰り上げ返済(返済期間そのものを短くする方式)を100万円実施すると、利息軽減効果の目安は約40〜60万円、返済期間は約10〜14ヶ月短縮される見込みです。

計算の考え方:繰り上げ返済した100万円は元本(借りた元のお金)に充当されるため、その後の利息計算の土台が減ります。残期間が長いほど・金利が高いほど、同じ100万円でも利息軽減効果は大きくなります。

一方、返済額軽減型(毎月の返済額を減らす方式)では、期間短縮型と比べて利息軽減効果は小さくなる傾向があります。同条件での目安は利息軽減額が約15〜25万円程度です。

計算の前提(金利・返済年数・返済比率)

上記の試算で使用した数値の根拠は以下のとおりです。

  • 金利:2.65% フラット35(固定金利)2026年4月時点・融資率9割以下・返済期間21〜35年の最頻値(住宅金融支援機構「フラット35金利情報」)
  • 変動金利を使う場合:主要銀行の変動金利(優遇後)は0.4〜0.6%程度、ネット銀行は0.3〜0.5%程度が目安(2026年時点)。変動金利が低いほど利息軽減効果は小さくなります。金融機関・時期・個人の審査結果により大きく異なります。
  • 返済年数:25年 残返済期間の設定値
  • 借入残高:3,000万円 試算のベースとなる残高

繰り上げ返済の手数料は銀行により0〜数万円(ネット銀行は無料が多い)かかるため、手数料分も差し引いて効果を考える必要があります。

条件別早見表(100万円・期間短縮型繰り上げ返済の効果目安)

借入残高 残返済期間 金利(固定) 利息軽減効果(目安) 短縮期間(目安)
2,000万円 20年 2.65% 約20〜30万円 約7〜10ヶ月
3,000万円 25年 2.65% 約40〜60万円 約10〜14ヶ月
3,000万円 25年 0.5%(変動・目安) 約5〜10万円 約2〜4ヶ月
4,000万円 30年 2.65% 約55〜75万円 約11〜15ヶ月
2,000万円 20年 2.33%(20年以下) 約15〜25万円 約6〜9ヶ月

※ 上記はすべて概算です。実際の効果は返済開始時期・実行済みの返済回数・金融機関の計算方法により異なります。変動金利の場合は「金融機関・時期により異なる」点にご注意ください。

注意点

①住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)との兼ね合い
住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%が所得税から差し引かれる制度です(2026〜2030年入居・控除率0.7%)。繰り上げ返済で年末残高が減ると、その分だけ控除額も小さくなります。たとえば残高が100万円減ると、年間控除額は100万円×0.7%=7,000円分少なくなります。控除期間(最長13年)の残り年数が長いほど、この影響は積み重なります。繰り上げ返済のタイミングは、控除期間終了後を検討するのも一つの選択肢です。

②手数料の確認
繰り上げ返済手数料は銀行により0〜数万円と差があります。特にネット銀行は無料のケースが多いですが、事前に確認が必要です。手数料が高いと利息軽減効果を圧迫します。

③最低繰り上げ返済額
銀行によって最低繰り上げ返済額が設定されており(10万円〜など)、100万円未満しか用意できない場合は実行できないことがあります。

④手元資金の確保
まとまった資金を繰り上げ返済に充てると、急な出費(病気・失業・修繕など)への備えが薄くなります。生活費の3〜6ヶ月分は手元に残すことが一般的に推奨されています。

⑤変動金利の場合はリスクも考慮
変動金利(優遇後0.4〜0.6%程度・主要銀行目安、金融機関・時期により異なる)では金利が低い分、繰り上げ返済の利息軽減効果は固定より小さくなります。2024年以降の日銀利上げにより変動金利も上昇傾向にあることも念頭に置いてください。

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よくある質問

Q. 繰り上げ返済は期間短縮型と返済額軽減型、どちらがお得ですか?
A. 一般的に利息軽減効果が大きいのは期間短縮型です。同じ100万円を繰り上げた場合、期間短縮型は返済期間を早く終わらせることで以後の利息を丸ごとカットできます。返済額軽減型は毎月の負担を減らしたい方向けですが、利息軽減効果は比較的小さくなります。

Q. 住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済してもよいですか?
A. 実行は可能ですが、年末ローン残高が減ることで控除額(残高×0.7%)も減少します。たとえば100万円繰り上げると年間7,000円の控除が減ります。控除期間(最長13年)が終わった後に繰り上げ返済するほうが、トータルで有利になるケースが多いです。

Q. 繰り上げ返済の手数料はいくらかかりますか?
A. 銀行によって0〜数万円と異なります。ネット銀行は無料のところが多い傾向です。手数料が高い場合、利息軽減効果と相殺されることがあるため、事前に契約している金融機関へ確認してください。

【出典】住宅金融支援機構「フラット35金利情報」https://www.flat35.com/loan/flat35/kinri.html / 住宅金融支援機構「フラット35ご利用条件」https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge311.html / 国税庁「No.1212 住宅借入金等特別控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm / 国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

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