住宅ローンの借り換えは、金利差が年0.5%以上あれば数十万〜100万円超の利息削減効果が見込めます。残債・残年数・現在金利の3点で損得が決まります。
結論 ─ 借り換えでいくら得するか?具体額
試算の前提として、現在フラット35(固定金利・返済期間21〜35年)で融資率9割以下のローンを利用している場合、2026年4月時点の最頻値は年2.65%です(住宅金融支援機構「フラット35金利情報」2026年4月時点の参考値)。一方、主要銀行の変動金利(優遇後)は0.4〜0.6%程度、ネット銀行では0.3〜0.5%程度となっています(各金融機関・時期により異なります)。
具体例として、借入残高3,000万円・残返済期間25年の条件で、現行金利2.65%から変動金利0.5%(優遇後・主要銀行の目安中央値)に借り換えた場合の試算を示します。
元利均等返済(毎月一定額を返す方式)による概算:
- 現行(2.65%・25年)の総返済額:約4,160万円(月返済額 約13万8,000円)
- 借り換え後(0.5%・25年)の総返済額:約3,197万円(月返済額 約10万7,000円)
- 差額(利息軽減額の目安):約963万円
ただし、上記から借り換えにかかる諸費用(一般的に数十万円規模)を差し引いた額が実質的な「得する金額」になります。また変動金利は今後の日銀政策により上昇する可能性があります。計算式のイメージ:利息軽減効果 ≒ (現行金利 − 借り換え後金利) × 残債 × 残年数 × 係数 − 諸費用
計算の前提(金利・返済年数・返済比率)
本記事の試算は以下の数値を使用しています。すべて法令参照ブロックおよび公的機関の公表値に基づきます。
- 現行金利:年2.65%(フラット35・融資率9割以下・返済期間21〜35年・2026年4月時点最頻値/住宅金融支援機構)
- 借り換え後金利:年0.5%(主要銀行変動金利・優遇後の目安中央値・2026年時点。金融機関・審査結果により0.4〜0.6%の幅があります)
- 借入残高:3,000万円、残返済期間:25年(一例。残債・残年数は各自の契約内容で異なります)
- 返済負担率:年収400万円以上の場合、フラット35審査基準では35%以下が目安(住宅金融支援機構)
- 返済方式:元利均等返済
なお、2024年以降の日銀利上げにより変動金利も上昇傾向にあります。将来の金利変動リスクを十分ご考慮ください。
条件別早見表
以下は借り換え後金利0.5%(変動・主要銀行目安)を前提とした、残債と残年数別の利息軽減効果の目安です。諸費用は含みません。
| 残債 | 残年数 | 現行金利2.65%での総利息(目安) | 0.5%での総利息(目安) | 軽減効果(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 20年 | 約590万円 | 約104万円 | 約486万円 |
| 2,000万円 | 25年 | 約768万円 | 約131万円 | 約637万円 |
| 3,000万円 | 20年 | 約884万円 | 約156万円 | 約728万円 |
| 3,000万円 | 25年 | 約1,152万円 | 約197万円 | 約955万円 |
| 4,000万円 | 20年 | 約1,179万円 | 約208万円 | 約971万円 |
| 4,000万円 | 25年 | 約1,536万円 | 約263万円 | 約1,273万円 |
※上記はあくまで概算です。実際の軽減額は金利・返済方式・借り換えタイミングにより変わります。変動金利は金融機関・時期により異なります。
注意点
借り換えの効果を正確に判断するには、以下の点を必ず確認してください。
- 諸費用の把握:借り換えには新たなローンの事務手数料・保証料・登記費用・印紙代などがかかります。一般的に数十万円規模になることが多く、軽減効果から差し引いて損益を判断する必要があります。
- 変動金利のリスク:2024年以降、日銀の利上げ方針により変動金利は上昇傾向にあります。現在低い金利でも、将来的に上昇すると試算通りの効果が得られない場合があります。
- 住宅ローン控除への影響:借り換え後も控除対象となりますが、年末ローン残高の0.7%が控除率(控除期間・借入限度額は住宅区分により異なります)。借り換えにより残高が減ると控除額も変動します。
- 返済負担率の審査:借り換え審査ではすべてのローン(住宅・車・教育・カードローン等)を合算した返済負担率が見られます。年収400万円以上の場合は35%以下が目安です(フラット35基準)。
- 残年数が短い場合:残り返済期間が10年を切ると、諸費用を回収できず損になるケースもあります。事前にシミュレーションで確認しましょう。
- 繰上返済との比較:期間短縮型の繰上返済(返済期間を短縮する方式)も利息軽減に有効です。借り換えと比較して、どちらが有利か試算することをおすすめします。繰上返済手数料はネット銀行では無料の場合が多いです。
よくある質問
Q. 借り換えの目安となる金利差はどのくらいですか?
A. 一般的に現行金利との差が年0.5%以上あり、残債が1,000万円超・残期間10年以上であれば効果が出やすいとされます。ただし諸費用との兼ね合いで個人差があるため、必ず実額でシミュレーションしてください。
Q. 変動金利に借り換えた場合、将来金利が上がったらどうなりますか?
A. 変動金利は金融機関・市場動向により変動します。2024年以降の日銀利上げで既に上昇傾向にあります。金利が上がると毎月返済額が増える可能性があるため、固定金利との差額を「バッファ(備え)」として貯蓄しておく対策が有効です。
Q. 借り換えの諸費用はどのくらいかかりますか?
A. 新たな抵当権(金融機関が担保を設定する権利)の設定登記費用・事務手数料・保証料などが主な費用です。金融機関や借入額により異なりますが、数十万円規模になることが多いです。この諸費用を利息軽減額から差し引いた金額が実質の「得する額」になります。
【出典】住宅金融支援機構「フラット35金利情報」https://www.flat35.com/loan/flat35/kinri.html/住宅金融支援機構「フラット35ご利用条件」https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge311.html/国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html/国税庁「No.1212 住宅借入金等特別控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1212.htm

