傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに健康保険から支給される手当で、1日あたり「標準報酬日額の3分の2」が目安です。月給30万円なら1日約6,667円、連続4日以上の休業で受給できます。
結論 ─ 月給別の傷病手当金の具体額
傷病手当金の計算式は以下のとおりです。
1日あたりの支給額 = 標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3
「標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)」とは、毎月の給与をもとに健康保険上で決められた基準額のことです。実際の手取りではなく、この基準額をもとに計算します。
例として月給30万円(標準報酬月額30万円)の方が30日間休業した場合を計算します。
- 1日あたりの支給額:300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,667円
- 30日間の合計支給額:6,667円 × 30日 = 約200,010円(待期3日を除くと27日分=約180,009円)
※「待期期間(たいききかん)」とは、休業開始から最初の3日間のことで、この3日間は支給対象外となります。4日目から支給が始まります。
支給期間は、支給開始日から通算して最長1年6ヶ月です。
計算の前提(標準報酬月額・支給率・支給期間)
傷病手当金の計算で使用する数値の前提は以下のとおりです。本記事で使用する数値は、健康保険法および厚生労働省の規定に基づいています。
- 支給率:標準報酬日額の2/3(約66.7%)
- 標準報酬日額:標準報酬月額 ÷ 30日
- 待期期間:連続3日間(この3日間は支給なし)
- 支給期間:支給開始日から通算1年6ヶ月
- 対象者:健康保険(協会けんぽ・組合健保)加入の会社員・公務員等
国民健康保険(自営業者など)は傷病手当金制度が原則ありません。また、退職後でも資格喪失時に受給中であれば、一定条件下で継続受給が可能です。
条件別早見表
| 月給(標準報酬月額) | 1日あたりの支給額 | 30日間(待期除き27日) | 90日間(待期除き87日) | 最長1年6ヶ月(通算540日) |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 約4,444円 | 約119,988円 | 約386,628円 | 約2,399,760円 |
| 25万円 | 約5,556円 | 約150,012円 | 約483,372円 | 約3,000,240円 |
| 30万円 | 約6,667円 | 約180,009円 | 約580,029円 | 約3,600,180円 |
| 35万円 | 約7,778円 | 約210,006円 | 約676,686円 | 約4,200,120円 |
| 40万円 | 約8,889円 | 約240,003円 | 約773,343円 | 約4,800,060円 |
| 50万円 | 約11,111円 | 約299,997円 | 約966,657円 | 約5,999,940円 |
※支給額は概算です。実際の標準報酬月額は1〜9月に改定(定時決定)され、給与明細や加入する健康保険組合に確認してください。最長540日は支給開始日から通算1年6ヶ月(548日相当)の日数から待期3日を引いた日数を目安としています。
注意点
傷病手当金を受給するにあたって、以下の点に注意が必要です。
- 課税・非課税について:傷病手当金は非課税です。所得税・住民税はかかりません。ただし、社会保険料(健康保険・厚生年金)は休業中も給与から差し引かれる場合があるため、会社に確認が必要です。
- 給与との併給不可:休業期間中に給与(有給休暇含む)を受け取っている場合、傷病手当金は支給されません(傷病手当金が給与を上回る場合は差額が支給されます)。
- 申請手続きが必要:自動的に支給されるわけではありません。会社・医師・健康保険組合(または協会けんぽ)の証明が記載された申請書を提出する必要があります。
- 支給期間の通算制度(2022年1月改正):同一傷病で支給が途中で止まった場合も、再開後の支給期間は「通算1年6ヶ月」でカウントされます。一度治癒した後に再発した別傷病であれば、新たに1年6ヶ月の権利が発生します。
- 標準報酬月額の基準時期:支給開始前12ヶ月の平均標準報酬月額をもとに計算されるため、転職直後や昇給直後に受給する場合は金額が変わることがあります。
自分の月給に合わせた正確な金額を計算したい方は、下記のツールをご活用ください。
よくある質問
Q. 傷病手当金はいつから受け取れますか?
A. 休業4日目から受け取れます。最初の3日間(連続)は「待期期間」として支給対象外です。有給休暇を使った3日間でも待期期間としてカウントされます。
Q. パートやアルバイトでも傷病手当金はもらえますか?
A. 健康保険(協会けんぽ・組合健保)に加入していれば、パート・アルバイトでも受給できます。国民健康保険加入者は原則対象外です。週20時間以上・2ヶ月超の雇用見込みがある場合は社会保険加入義務が生じる場合があります。
Q. 退職後も傷病手当金は受け取れますか?
A. 退職日時点で傷病手当金を受給中(または受給要件を満たしている)場合に限り、資格喪失後も残りの期間(支給開始から通算1年6ヶ月が上限)受け取れます。退職後に新たに申請することはできません。
【出典】厚生労働省「傷病手当金について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shogainenkin/syobyou.html / 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やけがで会社を休んだとき(傷病手当金)」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/

