住宅ローンの借り換えは、申し込みから融資実行まで通常1〜3か月かかります。事前準備から契約まで7つのステップがあり、金利差によっては総返済額を数十万〜数百万円削減できる可能性があります。
借り換えで変わる返済額の目安
借り換えの効果は現在の金利と新しい金利の差、残高、残り返済期間によって大きく変わります。たとえば残高2,000万円・残り20年の場合、金利が1%下がると総返済額は約200万円前後変わることがあります(金融機関・審査内容により異なります)。また、借り換え時には登記費用・保証料・手数料などの諸費用が数十万円かかるため、削減効果が諸費用を上回るかどうかを必ず確認しましょう。2026年4月時点の参考値として、フラット35(融資期間21〜35年・融資率9割以下)の金利は2.65%、主要銀行の変動金利(優遇後)は0.4〜0.6%程度とされていますが、金融機関や時期・個人の審査結果により大きく異なります。
ご自身の条件で削減効果を試算したい方は、下記のツールをご活用ください。
手続きの流れ
- 【STEP1】現在のローンを把握する(目安:1〜2日)
手元にある返済予定表(毎月の返済金額・元本・利息の一覧表)を確認し、現在の残高・残り返済期間・適用金利・繰上返済手数料・一括返済に必要な金額を整理します。現在の金融機関のWebサイトや電話で確認できます。 - 【STEP2】借り換え先の候補を比較する(目安:1〜2週間)
複数の金融機関(銀行・信用金庫・ネット銀行・フラット35取扱機関など)の金利・手数料・保証料を比較します。金利だけでなく諸費用を含めた「総支払額」で比較するのがポイントです。各金融機関のWebサイトや住宅金融支援機構のサイトで情報を収集しましょう。 - 【STEP3】事前審査(仮審査)を申し込む(目安:数日〜1週間)
候補の金融機関に事前審査を申し込みます。インターネットや窓口で申し込め、年収・勤務先・現在の借入残高などを入力するだけで完結することが多いです。複数行に同時申し込んでも問題ありません。審査結果は数日以内に通知されます。 - 【STEP4】本審査を申し込む(目安:2〜4週間)
事前審査を通過した金融機関に必要書類をそろえて本審査を申し込みます。この段階で「必要書類チェックリスト」の書類が必要になります。審査には2〜4週間程度かかることが多いです。 - 【STEP5】ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結する(目安:1〜2日)
本審査通過後、金融機関の窓口またはオンラインで契約書に署名・捺印します。契約内容(金利・返済期間・繰上返済の条件など)を必ず細かく確認してください。 - 【STEP6】抵当権(金融機関がローン担保として不動産に設定する権利)の設定・抹消手続き(目安:1〜2週間)
新しい金融機関が住宅に抵当権を設定し、現在の金融機関の抵当権を抹消する登記手続きを行います。通常は金融機関が指定する司法書士が手続きを代行します。登記費用(数万円〜十数万円)が発生します。 - 【STEP7】融資実行・旧ローン一括返済(目安:1日)
新ローンから融資が実行され、現在のローンを一括返済します。この時点で借り換えが完了です。残高証明書・一括返済完了証明書を受け取り、大切に保管しましょう。
必要書類チェックリスト
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど):顔写真付き公的身分証明書を用意します。有効期限を必ず確認してください。
- 収入証明書類:会社員の場合は直近2〜3年分の源泉徴収票(勤務先から年末に交付)、自営業者の場合は直近2〜3年分の確定申告書・納税証明書(税務署で取得)。
- 現在のローンに関する書類:返済予定表、住宅ローン残高証明書(現在の金融機関から取得)。
- 物件に関する書類:不動産登記事項証明書(法務局またはオンラインで取得、手数料600円程度)、建物・土地の売買契約書または建築確認済証のコピー。
- 住民票:発行から3か月以内のもの(市区町村の窓口またはコンビニで取得)。
- 印鑑証明書:実印の証明書(市区町村の窓口で取得、発行から3か月以内)。
- 火災保険証券のコピー:現在加入している火災保険の証書。新しい金融機関を質権設定先に変更する場合があります。
- 健康保険証のコピー:勤務先・在職状況の確認に使用する場合があります。
よくあるミス・注意点
借り換えの手続きでは、次のようなミスや見落としが起こりやすいため注意しましょう。
①諸費用を見落として「お得」と思い込む
借り換えには登記費用・融資手数料・保証料・印紙税などの諸費用が発生します。金利差による削減効果が諸費用を下回るケースもあるため、必ず総支払額で比較してください。残りの返済期間が短い場合ほど、費用回収前に終わってしまうリスクがあります。
②書類の有効期限切れ
住民票・印鑑証明書・不動産登記事項証明書は「発行から3か月以内」が求められることがほとんどです。本審査の申し込みに合わせて取得しましょう。事前に用意しすぎると再取得が必要になります。
③現在の金融機関への連絡が遅れる
一括返済の予約は融資実行日の数週間前までに現在の金融機関へ連絡が必要です。直前に連絡すると日程が合わず融資実行が遅れる場合があります。
④変動金利の将来リスクを考慮しない
変動金利は金融機関や時期により異なり、今後も変動します。2024年以降の日銀利上げにより変動金利も上昇傾向にあることを念頭に置き、将来の金利上昇シナリオでも返済可能かどうかを確認してください。
⑤返済負担率(毎月の返済額が年収に占める割合)のチェック漏れ
フラット35の審査基準では、年収400万円以上の場合は全ローン合算の返済負担率が35%以下、年収400万円未満の場合は30%以下が上限とされています。住宅ローン以外のカーローンや教育ローン、カードローンなども合算されるため注意が必要です。
よくある質問
Q. 借り換えにかかる諸費用はどのくらいですか?
A. 金融機関や物件の条件によって異なりますが、一般的に登記費用(抵当権の抹消・設定)・融資手数料・保証料・印紙税などを合わせて数十万円程度かかるケースが多いです。正確な金額は借り換え先の金融機関に事前に確認してください。
Q. 審査に通らないことはありますか?どんな場合に落ちやすいですか?
A. 年収に対して返済額が多い場合(返済負担率が審査基準を超える場合)、過去にローンの返済遅延がある場合、勤続年数が短い場合などは審査が厳しくなることがあります。複数の金融機関に事前審査を申し込んで比較するのが有効です。
Q. 借り換えは自分でできますか?それとも業者に頼む必要がありますか?
A. 基本的に自分で手続きを進めることができます。ただし、抵当権の設定・抹消登記は司法書士への依頼が必要で、通常は借り換え先の金融機関が指定の司法書士を紹介します。書類収集や比較検討は自分で行えるため、まず無料のシミュレーションツールで効果を確認してから動き出すのがおすすめです。
【出典】住宅金融支援機構「フラット35金利情報」https://www.flat35.com/loan/flat35/kinri.html / 住宅金融支援機構「フラット35ご利用条件」https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge311.html / 国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

