年金いくらもらえる?計算方法とシミュレーション解説

老後に受け取れる年金額は、現役時代の収入と加入期間によって大きく変わります。厚生年金の受給額は年収・加入年数次第で月10万〜20万円超の差が生じるため、早めの試算が老後設計の第一歩です。

結論 ─ 年収別・加入年数別の年金受給額の目安

厚生年金(老齢厚生年金+老齢基礎年金)の受給額は、主に「平均標準報酬額(現役時代の平均月収)」と「加入月数」で決まります。計算式は以下のとおりです。

老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式:
平均標準報酬額(月額)× 5.481/1000 × 加入月数

これに老齢基礎年金(国民年金部分)が加算されます。老齢基礎年金の満額は、法令上の数値としては厚労省が毎年度公表する額を参照しますが、ここでは計算構造の理解を優先し、以下の早見表で目安をご確認ください。

たとえば、平均月収(標準報酬月額)が35万円・加入期間が35年(420か月)の会社員の場合:
老齢厚生年金(報酬比例部分) = 35万円 × 5.481/1000 × 420か月
= 35万円 × 0.005481 × 420
≒ 約80,500円/月

これに老齢基礎年金(満額受給の場合、40年加入で約6万7,000円前後/月※厚労省公表値より)が加わるため、合計で月約15万円前後が目安となります。ただし、実際の受給額は生年月日や加入履歴、賃金スライドなどで変動します。

計算の前提(使用する数値と根拠)

本記事の計算は、厚生年金の報酬比例部分の計算式(平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数)を使用しています。この乗率「5.481/1000」は、2003年4月以降に適用される総報酬制導入後の乗率です(2003年3月以前の加入期間分は別乗率が適用されます)。

社会保険料率については、法令参照ブロックに基づき厚生年金の労働者負担率は9.15%(2026年現在)です。老齢基礎年金の満額については厚生労働省が毎年度発表する改定額を参照してください。

なお、年金額は毎年度の「マクロ経済スライド(少子高齢化に合わせて給付水準を自動調整する仕組み)」や賃金・物価の変動によって毎年見直されます。本記事の数値はあくまで目安としてご活用ください。

条件別早見表

平均月収(標準報酬月額) 加入期間20年(240か月) 加入期間30年(360か月) 加入期間40年(480か月)
20万円 約26,300円/月 約39,500円/月 約52,600円/月
30万円 約39,500円/月 約59,200円/月 約78,900円/月
40万円 約52,600円/月 約78,900円/月 約105,200円/月
50万円 約65,800円/月 約98,700円/月 約131,500円/月

※上記は老齢厚生年金(報酬比例部分)のみの試算値です(計算式:平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数)。
※老齢基礎年金(国民年金部分)は別途加算されます。40年加入の満額は厚労省公表の最新額をご確認ください。
※実際の受給額は生年月日・加入履歴・マクロ経済スライド等により異なります。

注意点

年金受給額を正確に把握するうえで、以下の点に注意が必要です。

① 受給開始年齢による増減:原則65歳受給開始ですが、繰上げ受給(最短60歳〜)を選択すると月0.4%ずつ減額、繰下げ受給(最長75歳〜)を選択すると月0.7%ずつ増額されます。たとえば70歳まで繰下げると受給額が42%増になります。

② 配偶者・遺族年金の加算:扶養する配偶者がいる場合、加給年金(老齢厚生年金に加算される家族手当のような給付)が上乗せされる場合があります。

③ 厚生年金の標準報酬月額には上限がある:標準報酬月額の上限は現行制度で65万円です。年収がいかに高くても、上限を超えた部分は年金計算に反映されません。

④ 自営業・フリーランスの方:国民年金のみ加入の場合、老齢基礎年金しか受け取れません。老後の備えとしてiDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金の活用を検討しましょう。

⑤ ねんきん定期便・ねんきんネットを活用:毎年届く「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」では、現時点までの加入実績に基づく見込み額が確認できます。自分の実際の数字を把握するためにも活用してください。

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よくある質問

Q:厚生年金は何年加入すると受給できますか?

A:老齢厚生年金の受給には、国民年金を含む公的年金の保険料納付済み期間等が合計10年以上必要です(2017年8月から25年→10年に短縮)。加入期間が長いほど受給額が増えます。

Q:年収500万円で40年加入した場合、年金はいくらになりますか?

A:年収500万円の場合、標準報酬月額はおよそ41万円前後が目安です。老齢厚生年金(報酬比例部分)は 41万円 × 5.481/1000 × 480か月 ≒ 約107,900円/月となります。これに老齢基礎年金が加算されるため、合計では月17〜18万円前後が目安です(マクロ経済スライド等の影響前)。

Q:繰下げ受給で70歳から受け取ると、どのくらい増えますか?

A:65歳から70歳へ5年(60か月)繰り下げた場合、月0.7% × 60か月 = 42%の増額となります。たとえば65歳時点での受給見込みが月15万円なら、70歳受給開始で月約21.3万円になります。ただし長生きするほどメリットが大きくなる一方、早期に亡くなった場合は総受給額が減ることもあるため、健康状態や家計状況を踏まえて判断することが重要です。

【出典】厚生労働省「老齢年金ガイド」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/index.html / 日本年金機構「老齢厚生年金(65歳からの年金)」https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20150401.html / 日本年金機構「社会保険料率について」https://www.nenkin.go.jp/

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