iDeCoの節税効果は年収によって大きく異なります。年収500万円の会社員なら年間約2万4,000円〜約4万8,000円の節税が可能です。この記事で年収別の目安額を確認しましょう。
結論 ─ 年収別iDeCo節税額の具体例
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分で積み立てながら老後資金を準備する私的年金制度です。掛金が全額「所得控除(税金の計算対象となる所得を減らす仕組み)」となるため、所得税と住民税(一律10%)の両方を節税できます。
節税額の計算式は以下のとおりです。
年間節税額 = 年間掛金 × (所得税率 + 住民税率10%)
以下では、会社員(企業年金なし)の掛金上限である月2万3,000円(年27万6,000円)を前提に、年収別の節税額を算出します。所得税率は法令参照ブロックの速算表を使用し、給与所得控除・社会保険料控除(年収の約15〜16%を控除、ここでは15%で概算)を差し引いた課税所得をもとに判定します。
計算の前提(税率・掛金・控除)
計算に使用した前提条件は以下のとおりです。すべて法令参照ブロックの数値を使用しています。
- 掛金:月2万3,000円(年27万6,000円)※会社員・企業年金なしの上限
- 住民税率:一律10%
- 所得税率:課税所得に応じて5%〜33%(国税庁「No.2260」速算表に基づく)
- 給与所得控除:国税庁「No.1410」に基づき年収別に算出
- 社会保険料控除:給与収入の約15%で概算(厚生年金9.15%+健康保険約5〜6%+雇用保険0.6%)
- 基礎控除:48万円
課税所得の概算計算式:
課税所得 = 年収 − 給与所得控除 − 社会保険料(年収×15%) − 基礎控除48万円
年収別節税額早見表
| 年収 | 給与所得控除 | 課税所得(概算) | 所得税率 | 所得税の節税額 | 住民税の節税額 | 年間合計節税額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 98万円 | 約109万円 | 5% | 約1万4,000円 | 約2万8,000円 | 約4万2,000円 |
| 400万円 | 124万円 | 約168万円 | 5% | 約1万4,000円 | 約2万8,000円 | 約4万2,000円 |
| 500万円 | 144万円 | 約231万円 | 10% | 約2万4,000円 | 約2万8,000円 | 約5万2,000円 |
| 600万円 | 164万円 | 約296万円 | 10% | 約2万4,000円 | 約2万8,000円 | 約5万2,000円 |
| 700万円 | 180万円 | 約367万円 | 20% | 約4万8,000円 | 約2万8,000円 | 約7万6,000円 |
| 800万円 | 190万円 | 約432万円 | 20% | 約4万8,000円 | 約2万8,000円 | 約7万6,000円 |
| 1,000万円 | 195万円 | 約557万円 | 20% | 約4万8,000円 | 約2万8,000円 | 約7万6,000円 |
※掛金:年27万6,000円(月2万3,000円)前提。課税所得は概算のため、実際の納税額とは異なる場合があります。復興特別所得税(所得税額の2.1%加算、〜2037年)は表では省略しています。
注意点
iDeCoの節税効果を最大限に活かすには、以下の点に注意が必要です。
- 掛金上限は加入区分により異なります。企業型確定拠出年金(企業が運営する積立制度)に加入している会社員や公務員は、月1万2,000円〜2万円など上限が異なります。自分の区分を必ず確認しましょう。
- 60歳まで原則引き出せません。iDeCoは老後資金を目的とした制度のため、急な出費には対応できません。生活費の余剰資金で運用するのが基本です。
- 受取時に課税されます。積立・運用時は非課税ですが、受取時(一時金:退職所得控除、年金:公的年金等控除が適用)に課税される仕組みです。長期視点での節税効果を理解したうえで活用しましょう。
- 住民税の節税効果は翌年以降に反映されます。掛金の控除は確定申告(または年末調整)で手続きし、住民税の軽減は翌年6月以降の引き落としに反映されます。
- 運用リスクがあります。iDeCoは元本確保型と投資信託型があり、運用成績によって受取額が変わります。元本割れのリスクも考慮しましょう。
ご自身の年収・加入区分・掛金額を入力して、実際の節税額を確認してみましょう。
よくある質問
Q. 年収300万円台でもiDeCoの節税効果はありますか?
A. あります。年収300〜400万円台の場合、所得税率5%が適用される方が多く、年間約4万2,000円(掛金月2万3,000円の場合)の節税効果が見込めます。住民税10%分の節税も加わるため、低収入でも十分メリットがあります。
Q. 掛金は途中で変更できますか?
A. 年1回、掛金額を変更できます。家計の状況に合わせて増減できるため、無理のない金額から始めて、余裕ができたら増やすという方法も有効です。
Q. 会社員と自営業者では節税額は異なりますか?
A. 掛金上限が異なるため節税額も変わります。自営業者(国民年金のみ加入)の掛金上限は月6万8,000円(年81万6,000円)と会社員より大きく、年収や税率によってはより大きな節税効果が期待できます。
【出典】国税庁「No.2260 所得税の税率」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm / 国税庁「No.1410 給与所得控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm / 日本年金機構・厚生労働省「iDeCo(個人型確定拠出年金)」https://www.ideco-koushiki.jp/

