年収600万円の手取りは、会社員の場合おおよそ450〜470万円前後が目安です。給与所得控除・社会保険料・所得税・住民税を差し引いた実際の受取額をわかりやすく解説します。
結論 ─ 年収600万円での手取り具体額
年収600万円(給与収入600万円)の会社員を例に、実際の手取り額を計算してみましょう。以下はサラリーマン(独身・東京都在住・社会保険は協会けんぽ)を前提とした概算です。
【計算ステップ】
①まず給与所得控除額を求めます。年収600万円は「360万円超〜660万円以下」の区分に該当するため、
給与所得控除 = 600万円 × 20% + 44万円 = 164万円
②給与所得(もうけとして計算される金額)を算出します。
給与所得 = 600万円 − 164万円 = 436万円
③社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)を計算します。会社員の社会保険料率の合計はおおよそ15〜16%(労働者負担分)が目安です。
社会保険料の概算 = 600万円 × 15.75%(中間値)= 約94万5,000円
④課税所得(税率をかける元の金額)を算出します。基礎控除は48万円(2026年現在)として計算します。
課税所得 = 436万円 − 94万5,000円 − 48万円 = 約293万5,000円
⑤所得税を計算します。課税所得約293万5,000円は「195万円超〜330万円以下」の税率10%の区分です。
所得税 = 293万5,000円 × 10% − 9万7,500円 = 約19万6,000円
さらに復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算され、約20万円程度になります。
⑥住民税は課税所得の約10%(一律)のため、約29万5,000円が目安です。
⑦手取り額の概算:
600万円 − 94万5,000円(社会保険料)− 20万円(所得税)− 29万5,000円(住民税)= 約456万円
月換算すると約38万円が手取りの目安となります。
計算の前提(控除・税率・社会保険料率)
上記の計算では以下の数値を使用しています。すべて法令に基づく2026年時点の数値です。
- 給与所得控除:収入600万円 → 収入 × 20% + 44万円=164万円(国税庁「No.1410 給与所得控除」)
- 所得税率:課税所得293万5,000円 → 税率10%、控除額9万7,500円(国税庁「No.2260 所得税の税率」)
- 復興特別所得税:所得税額の2.1%加算(〜2037年)
- 社会保険料率(労働者負担):健康保険約5〜6%(協会けんぽ)+厚生年金9.15%+雇用保険0.6%=合計約15〜16%
- 住民税:課税所得の約10%(均等割含む概算)
- 基礎控除:48万円(合計所得2,400万円以下の場合)
※ 健康保険料率は都道府県・加入組合により異なります。扶養家族の有無、各種所得控除(生命保険料控除・医療費控除など)によっても手取り額は変わります。上記はあくまで目安の概算値です。
条件別早見表
家族構成や控除の違いによって手取り額は変化します。以下の早見表は年収600万円を軸に、主な条件ごとの手取り目安(概算)をまとめたものです。
| 条件 | 給与所得控除 | 社会保険料(概算) | 所得税+住民税(概算) | 手取り目安(年) | 手取り目安(月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 独身(控除なし) | 164万円 | 約94万円 | 約49万円 | 約457万円 | 約38万円 |
| 配偶者控除あり(配偶者所得48万円以下) | 164万円 | 約94万円 | 約41万円 | 約465万円 | 約39万円 |
| 配偶者控除+扶養1人(16歳未満) | 164万円 | 約94万円 | 約39万円 | 約467万円 | 約39万円 |
| 配偶者控除+扶養1人(16歳以上19歳未満・特定扶養) | 164万円 | 約94万円 | 約34万円 | 約472万円 | 約39万円 |
※ 上記はすべて概算です。実際の税額は各種控除の適用状況により異なります。正確な金額は下記ツールで確認してください。
注意点
手取り額の計算にはいくつか注意すべきポイントがあります。
① 健康保険料は都道府県・加入組合で異なる
協会けんぽの健康保険料率は都道府県によって異なり、約5〜6%の幅があります(2026年現在)。勤務先が健保組合に加入している場合はさらに異なります。
② 各種所得控除で税額は大きく変わる
生命保険料控除・医療費控除・iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金控除・住宅ローン控除(年末ローン残高の0.7%)など、適用できる控除によって所得税・住民税が大幅に軽減される場合があります。特にiDeCoは掛金全額が所得控除の対象になるため、節税効果が高い制度です。
③ 住民税は前年収入に基づいて翌年課税される
住民税(地方税の一種)は前年の所得をもとに計算され、翌年6月から天引きされます。転職・退職した年は注意が必要です。
④ 賞与(ボーナス)がある場合の計算は別途必要
賞与にも社会保険料・所得税・住民税がかかります。年収600万円の内訳(月給と賞与の割合)によっても手取りの月額は変動します。
⑤ 副業・フリーランス収入がある場合は確定申告が必要
給与以外の所得が年間20万円を超える場合は確定申告(税務署への申告手続き)が必要になります。
自分の条件に合わせた正確な手取り額を知りたい方は、以下のツールで簡単にシミュレーションできます。
よくある質問
Q. 年収600万円でも手取りが456万円より少なくなることはありますか?
A. はい。健康保険の加入組合や都道府県によって保険料率が高い場合、あるいは介護保険料(40歳以上は別途負担)が加算される場合は手取りがさらに減ります。また、社会保険料・税金は毎月の給与から天引きされるため、月々の実感は年間合計より少なく感じることもあります。
Q. iDeCoに加入すると手取りはどう変わりますか?
A. iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は全額が所得控除の対象になります。たとえば年間27万6,000円(会社員の上限目安)を拠出した場合、課税所得がその分だけ減るため、所得税・住民税が軽減されます。ただし手取りとしてすぐ受け取れるわけではなく、老後の受取時まで引き出せない点に注意が必要です。
Q. 年収600万円と年収601万円で手取りが大きく変わることはありますか?
A. 所得税の税率区分の境目(695万円など)を超えない限り、1万円の差で手取りが急激に変わることはありません。ただし社会保険料は「標準報酬月額(月収を一定の区切りで区分した金額)」をもとに計算されるため、昇給によって区分が上がると保険料が段階的に増える場合があります。
【出典】国税庁「No.1410 給与所得控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm / 国税庁「No.2260 所得税の税率」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm / 日本年金機構・全国健康保険協会(協会けんぽ)

